どうしてこんなに雨が嫌いなんだろう。
前世のどこかで、野垂れ死にして雨に打たれていた時があったような気がするよ。
午前中はほぼ、どういう交通経路で行ったら少しでも雨に濡れないかと、シミュレーションで費やしてしまった。
でも、予報よりかなり雨が少ない。出かけるとき窓から見たら、歩行者傘差してない。
ラッキー。いつも通りの安い交通経路で行けるわ。
いやいや、油断禁物。オケ練会場の周辺の予報もチェック。
あー。こっちは雨だ。折り畳み傘をバッグに突っこみ、出かけた。
あら。ほとんど誰も傘差してないけど霧雨降ってるじゃん。
髪が少しでも水を含むと縮れ毛が暴発するので、少量の雨でも傘必須。持っててよかった。
きのうは、楽器運搬当番でもあった。
運悪く、エレベータのない会場。３階の練習室までティンパニ（でっかい太鼓）を３台運ばなきゃなんない。
意気込み入れすぎて、早く着いてしまった。
幸い雨も大したことないので、この近くの有名なパン屋さんに寄ってから行くことにする。
が、歩いても歩いてもパン屋が見つからない。あれ、このあたりじゃなかったっけ。
諦めて会場に着く。早めに来ているメンバーは女性ばかりだ。
コンサートマスターも早めに来ていて、当番じゃないのに手伝ってくれた。あ、コンマスは男性です。
ティンパニなど積んだトラックが到着したとき、ちょうど雨がバラバラと強く降りつけてきた。
ティンパニにも重いのと軽いのがあって。
重いやつを、コンマス含めた4人で運ぶ。
階段を登りながら運ぶので、バランスが大切。
「そっち、だいじょぶ？」とコンマスが気遣ってくれるが、揺れると危ない。
「自慢じゃないけどアタシ非力なんで」と、少し手加減を頼む。
手足が痺れたり痛んだりする持病があるのだけど、それはみんなに言うほどのことでもない。
オケをそれで2年間休んでたけど、治ってきたからこそ復帰したのだから。
次、もう一台。男性メンバーも来たが、コンマスもまた助けてくれる。
「よはねすちゃん、ヒリキなんだよね？」とユーモラスに、ほかの人に聞こえるように言ってくれた。
あ、さっきアタシ、自慢げでしたぁ？と、頭に手をやる。
ありゃ。やっぱり湿気で髪がもじゃもじゃだ。
全部運び終わってほっとしたところに、仲良しさん登場。
この人もあの有名なパン屋さんのファンで、地元に住んでるから聞いてみた。
閉店じゃないけど、遠くに移転しちゃったんだって。
そんな話をしてたら、彼女の髪にきれいなカールがついてるのに気づいた。
パーマ当てたの？と聞いたら、湿気でこうなると。いいなあ、きれいな癖毛で。
あたしは最近鏡を見るとモジャ毛が気になって、1本1本ハサミで切って。
気づくと2時間ぐらい経ってしまって、床に落とした髪を集めるとこんもりとした山ができる。
昔はねえ。髪の毛とは思えない、シモの毛にしか見えなかったものだが。
今は色も薄く、細くなってしまったので誤解されることはなさそうだ。悲しいことに。
きのうは、オケの年次総会でもあった。これがまた憂鬱。
ほぼ毎年、疑問が出てすんなり終わらない。雰囲気よくない。
今回は団費の値上げ議案があるから、やっぱり「なぜ必要なのか根拠を出せ」「支出見直しはしたのか」とか、まあ出て当然な疑問が出てすんなり行かなかった。
司会も事務局も大変だよなあ。でも財務担当がとても上手に説明してくれたので、なんとか時間内に無理やりだけど乗り切った。
いつもはほぼ満場一致なんだけど、今回は多数決で可決された。こんなことは滅多にない。
ああ、恐ろしい。こんな仕事の係にはなりたくない。
財務担当さん、普段音楽もお仕事も「頑張ってます」アピールが強くて少し煙たいのだけど、今回は見直したわー。
夕飯も食べずにうちに着いた。
カーテン、開けっ放しだった。
窓から、ほぼ満月が浮かんでるのがきれいに見えた。
嵐の後の、夜の晴天。
そして、けさ。
目覚めたらまず血圧を測る。
毎回、2回連続して測りなさいと取説に書いてある。
1回めは上100・下83。いいじゃん。
しかし2回めを測りながら、ついゆうべのティンパニ運びのことを思い出してしまった。
階段で下ろすとき、後ろにいた先輩が「足下が見えなくて危ない」という。
あたしもよく見えないから、イチ、ニ、イチ、ニと声に出して言ってもらってなんとか降りたんだよなあ。
なんて考えてたら、血圧計が上140下94と跳ね上がってしまった。
おお、まずいまずい。無心になって深呼吸し、測り直す。
3度目は上119、下93。ま、これが本当のところだろう。
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