老ユーチューバー

室内オケの指揮者は、団内のボランティアさん。

団員は上手い人とそうじゃない人と、差が激しい。あたしは中間だな。
上手くても、指揮に合わせることができないタイプが多い気がするよ。

あたしが若い時から入ってるオケでも団内指揮者の時代が長くて、みんなが指揮に合わせないと彼は激怒してたけどね。
ここの指揮者さんはとても優しい。「どうしてそうなるの」とは言うけど、決して怒らない。
こないだなど練習の冒頭で「みなさんは、やればできるんです」なんて甘い言葉でみんなの気分をのせる。
どういう人なんだろうな、と思っていたらね、元はフルートを吹いてたんだって。

休憩時間の時に、全員にA4コピーを配ってたよ。
それが、ＱＲコードがずらりと並んでるの。

なんじゃこりゃ。
スマホを持っていくのを忘れたので、その場では見られなかったし、まわりも見ようとする人がいないんだよね。
「こんな滲んだようなのでも、読み込めるのかしらあ」なんて言うだけで、誰も試さない。

ご自分の演奏をYouTubeにしたものだそうで、ちょっとびっくりよ。
20年ぐらい前の古い映像もあるって。
へー。そんな昔から彼、ユーチューバーだったの？

ひとつ、例を出そうか。

ちょっと残念なのは、弦楽の伴奏の映像がほんの少ししかないんだ。あっても不明瞭で、顔などよくわからない。
きっとYouTubeで公開する同意が得られなかったんじゃないかと思う。
弦楽伴奏も上手だから、もしかしたらプロに頼んだのかな。

あたしはQRコードさえ以前から苦手でね。
懸賞応募がそれだと、はなから諦めちゃうぐらい。
最近androidでもカメラから読み込めるようになって、ほぼ使えるようになったけど、それでもなかなか読めないこともよくあるよ。

ましてや、古い映像をQRコード化するなんて、想像もつかなかった。
もしかしたら、息子さんがチェロをやってるというから息子さんが作ってくれたのかな。

我々が今挑戦している曲、グリーグのピアノ協奏曲や新世界より、「こうもり」序曲などの曲名を見せたら、息子さん「えっ、こんなに難しい曲をやってるの」と驚いてました、と指揮者がいう。
みなさんの演奏がうまくないのは腕のせいではなく、この曲が難しいからだ、と言いたいみたいね。

ところでチェロといえば。と、強引に話を変える。

室内楽仲間のトマトさんは、チェロのことを決して「チェロ」と言わないで「セロ」っていうのよ。
最初は何のことかわからなかったけど、徹底していつでも「セロ」というから通じるようにはなった。

もう2年ほど「セロ」を聞き慣れてたけど、こないだ珍しく「チェロって言ったほうがいい？」なんて言い出すの。
いつも思ってた言葉が、待ってましたと口から出た。「セロっていうひと、今まで一人もいない。言うのは宮沢賢治だけだ」

アニーさんが「あ、セロ弾きのゴーシュ」と言ってくれて、やっとトマトさんにも通じたみたい。
「じゃあ、セロってあまり言わないほうがいいかぁ」
あえて返事はしなかったけどね。「セロ」って言い方が好きなんだろう。しかしなぜ「セロ」なのか不思議。
彼女も別のオーケストラに入ってるというから、そこだって全員「チェロ」と言ってるはずだし、テレビでもラジオでもそうだよね。

もうひとつ言えば、トマトさんはメールで「全員に返信」ができない。
明らかにメンバー全員に向けた内容なのに、あたし一人にしか返信されてないのに気づけば展開してあげるけど。
親友メイはそれを知らず、ちょっと行き違いがあったのね。教えたら
「トマトさん、メールが使えないわたしを阻害しないでくれって言う、覚えろ」ってイラついてたよ。

どっきり。あたしも、トマトさんよりかすかにマシなだけで、いろいろ使えないんだけどなあ。
知らないところで、あたしもメイをいらいらさせているのかもしれない。

本日のオマケ

夕飯は「鯖缶と長ネギのアヒージョ」と「うずら豆と青菜のグリル焼き」

細い長ネギ2本、干乾びないうちに食べたくて。アサヒビールさんのレシピ。

冷凍庫で6月からお過ごしになってる大根葉と人参葉とセロリ葉をどうにかしたく助けを求めたのはギリシャ在住邦人ブロガーさんのレシピ。大きな白花豆を使ってるけど、赤いんげん豆の水煮缶があったのでそちらで。

期せずして二品とも缶詰料理。